映画「フロム・ダスク・ティルドーン」★感想
監督として有名なクエンティン・タランティーノ、「結婚しよう」と迫っておいて女性が結婚を切り出すとあっさり捨てるという逸話で有名(?)なジョージ・クルーニー主演のクライムエスケープ&吸血鬼バトルホラー映画である!!
フロム・ダスク・ティル・ドーン スペシャル・バリューパック (初回限定生産) [DVD]
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- 発売日: 2013/08/07
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あらすじ
凶悪な犯罪者兄弟の2人は犯罪行為を犯しまくり逃亡していた。
道中立ち寄ったモーテルで、牧師を辞め放浪の旅をしているフラー親子と出くわし、父親と娘と息子の3人全員を人質にとり、仲間と落ち合う予定のメキシコを目指す。
人質をうまく使い、国境を見事突破した兄弟は約束の店「ティティー・ツイスター」で一夜を明かすことになる。
しかし実はこの店は恐ろしい吸血鬼たちの巣窟なのだった・・・
客や店員たちが次々正体を現し、兄弟、親子、その他人間の客に襲いかかる。
極悪犯罪者兄弟と、巻き込まれた親子に夜明けは来るのか!?
この映画の注目点は前半と後半でジャンルがガラッと変わる点である。
前半は狡猾にして卑劣、残虐非道な兄弟が警官を焼き殺したり、女従業員をさらってレイプの末殺したり、ありがちなロードキルもので淡々と進んでいくのだが、「ティティー・ツイスター」に入ってからは血が飛ぶ、手が飛ぶ、首飛ぶ阿鼻叫喚のスプラッタームービーに早変わりする。
全く知らずに見ていたらポカーンとなること請け合いだ。
キャラクターについていえば、まずクエンティンタランティーノ扮する兄弟の弟役。
兄よりも無軌道で簡単に人を殺すキャラクターだ。
自分が気になったのは「ティティー・ツイスター」で女の足に垂らした酒を飲むシーン。長い、とにかく長い。ゆっ・・・くりと足に流れる酒を飲む。
いや、趣味出すぎだろ・・・
タランティーノが足好きの変態監督というのは知っていたが自分が監督してない作品でここまでやるか。ちなみに監督はロバート・ロドリゲス。
あっ・・・(察し)
「俺、足舐めてーよロバート〜」
「はっはっは、いいよいいよ。そういうシーン入れよう」
というやり取りが容易に想像できた。
ジョージ・クルーニーは渋カッコイイ。若い。終わり。
そしてトム・サヴィーニのセックスマシーン・・・
武器は鞭!あと股間の隠し銃!!濃い顔!!
いいね!ホント好きこういうキャラは(^−^)
結構強いし。
フラー親子も木の棒を使った十字架ショットガン、聖水入りコンドーム、ボウガンで吸血鬼を屠っていきます。
設定的に吸血鬼は結構弱い気がする。(体がもろくて木の棒が簡単に刺さる)
広く伝わる吸血鬼の弱点とされるものが大体有効だし。
噛まれると自分も吸血鬼になってしまうというのが少し怖いが。
さてさて、彼らの夕暮れから夜明けまで(フロム・ダスク・ティルドーン)の戦いはどういう結末を迎えるのか。
気になった人はお近くのレンタル店にGOですよ。
ジョージ・クルーニーはかっこいいし、タランティーノはキモいし、トム・サヴィーニは濃い・・・
見どころは満載である。
深く考える要素は全くないが、何も考えずに見れば面白い映画だと思う。
7/10 自転車と原付の(小)冒険 大原三千院編
友人のT君に誘われて大原の山を登ってきました(^u^)
夜の12時過ぎに連絡が来て「どっか行こう」という曖昧なお誘いに、正直私は乗り気ではなかった。
だがここで断ったら彼が拗ねてしまう。そして拗ねた彼はとてもめんどくさい。というわけで自転車にまたがり出発した。
最初、T君は河原に行こうと言っていたので鴨川でも行くのかと思って後を追っていたのだが、気づいたら山を登りだした。
上り道はとてもつらい。熱い、苦しい、痛い(主に腰や尻)
そしてぜーはー言いながら登る私を尻目にニヤニヤと笑いながら原付で並走するT君……殴り飛ばすぞ。
山道を登り続けること30〜40分、ついにファミリーマート大原三千院店に到着。
朦朧としながらベンチにへたり込み、T君におごってもらったコーラを一気に飲みほした。真っ黒な液体が体に流れ込み、そのまま血管を通り体の隅々まで循環していく……そんな感覚に浸りながら一息ついていると、
にゃー!?猫なのにゃ!!実家で2匹も猫を飼っているT君、猫を飼ったことはないが大好きな私……さっそく接近を試みた。
するとこやつはとても人懐っこい猫で、躊躇なく膝上に乗ってきた。
普段私達二人は猫に接近しては逃げられるということを繰り返しているので、この警戒心の無さは新鮮だった。
私はこやつに「にゃあたん」という名前をつけた。
T君はファミリーマートで猫缶を購入し、それをテーブルに置いて二人と一匹で腹ごしらえとなった。
黙々と猫缶をむさぼる猫の姿に「ウマイウマイウマイ……」「マグロウマイナァー」と昔見たしゃべる猫の映像を思い出しながらアテレコする男二人。
その後もずっと膝に乗り続ける猫、そのままうとうとしだしてしまった。
なんとまあ、かわゆい奴なのだ。あざといまでの可愛らしさだった。
そのまま静かに寝かせてやりたかったが、時間はもう夜中3時を回ろうとしている……
家に連れ帰って、飼ってしまいたいという欲が二人の中で猛烈に膨らんでいったが、どこかの飼い猫だという可能性も否めない。
僕とT君は泣く泣く膝から猫を降ろし、お別れをしたのだった……(連れて帰るかと思い始めて1時間以上経過していた)
特にT君は本気で飼うつもりだったらしく、結構悲しそうだった。
帰り道は下りが多いので、行きの半分くらいの時間で帰れた。
弱虫ペダルに影響され、走りながらスニッカーズを食べていたらT君に鼻で笑われてしまった。
部屋についてみると上から下まで汗でぐっしょぐしょ……
河原で穏やかに過ごすと思っていたのにこんな仕打ち……しかしにゃあたんに出会えたのだから大原に行こうとしたT君の決定は正解だったと言えるだろう。
もしにゃあたんがいなかったら……いや、考えるのはよそう。
ジャック・ケッチャム「オンリー・チャイルド」☆感想
ケッチャムの小説を読むのはこれで三冊目だ。
「隣の家の少女」、「オフシーズン」……読んだ人ならばわかるだろうが、苦手な人が間違って読んでしまったら寝込むこと間違いない。
この「オンリー・チャイルド」を読んで理解した。残酷で陰惨で救いのない物語を量産し続ける、それがジャック・ケッチャムという作家なのだ。
- 作者: ジャック・ケッチャム
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あらすじ
リディアは妹の結婚式で、金持ちでキュートなアーサーと出会った。馬の合った2人は結婚して息子のロバートをもうける。一見、幸せな家庭生活のように思えたが、徐々にアーサーがその本性を現しだす。その魔の手が息子ロバートに及んだとき、家庭生活は完全に崩壊したのだった……
ありがちな話にみえるが、特筆すべきはリアリティーだと思われる。
後半はロバートに性的虐待を行ったアーサーの裁判がおこなわれるのだが、アーサーの弁護士が狡猾なやつで裁判は全然リディアの思うように進まない。
読者視点で、明らかに犯罪者であるアーサーを追い詰めることができないのである。これは読者としても大変にもどかしい。
実際の裁判もこんな感じなのかなあと思うとげんなりする。
このアーサーというキャラクターは幼少時に虐待を受け悪ガキに成長、順調に変態サディストとなりました、というような典型的アメリカ殺人鬼キャラだ。
小説内で断言はされていないが、殺人も犯しているとおもわれる。
そんな危ない男アーサーだが、妻のアナルを犯したり、息子のアナルを犯したり……
ケツ穴掘り夫のイメージがあまりに強い。
最低の変態糞男である。
しかしこういう奴に限って美人と結婚したりしている。なぜだ。
美女よ、見る目を磨け。
脱線したが、ラストではいろいろあってアーサーが死に、リディアが刑務所にぶち込まれることになる。一方的に被害者であり続けた一人息子ロバートは、アーサーを虐待して、「作り上げてしまった」祖母に引き取られることになる……
……救いはどこにあるんですかー!?
登場する人物たち、一人たりとも救われなかった。
ケッチャムの、この意地でも登場人物を救ってやるものかという意志はどこからくるのだろう。
陰惨さでは「隣の家の少女」に及ばない。残酷さでは「オフシーズン」に及ばない。
しかしまちがいなくこの小説、「オンリー・チャイルド」は恐ろしい小説だ。
興味を持ったらぜひここで挙げた三冊を読んでいただきたい。なるべく精神が明るいときに……
- 作者: ジャックケッチャム,Jack Ketchum,金子浩
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1998/07/01
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漫画「弱虫ペダル」★感想
弱虫ペダル?どこが弱虫だ!!
これはチート性能持ちの主人公が周りの選手たちを蹴散らす、才能が努力を蹂躙する物語である!
- 作者: 渡辺航
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というわけであらすじ。
ママチャリで往復90㌔の道のりを往復する、「スーパー健康派オタク」の小野田坂道はひょんなことから自転車に出会い、総北自転車部に入り練習を開始する。
そこで自分の生まれ持った才能に気付き、一年生にしてインターハイに出場、総合優勝を手にするのであった・・・
コミックス約20巻分を主人公視点のみでさらっとまとめたが、こんなもんである。
自転車競技数カ月の主人公が、幼い頃から自転車に乗り続けている周りの選手たちを追い抜いていく。
別に漫画なのだから現実的な視点で見る必要はないのだろうが、いくらなんでもやりすぎである。
主人公なのだから当然努力にしろ才能にしろ、周りの選手たちと戦っていく力は必要だと思うし、そこに対しての文句はない。
自分が残念だったのはインターハイの総合優勝を彼に渡してしまったことだ。漫画はインターハイ編が終わっても続いていくのだからここは一度彼に挫折というものを味あわせて欲しかった。
一年目にして総合優勝を果たしてしまって、小野田はこの先どうしていくのか。
主人公の魅力付けをもっとしっかりやってもらいたいと思った。
文句を言ったがそれは主人公に対するもので、作品自体は面白い。
魅力の無い主人公と違って、総北自転車部の面々、対戦校の選手たちは濃ゆい奴らが集まっている。何人か挙げていこうと思う。
- 作者: 渡辺航
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まず主人公と同じ総北一年、今泉俊輔。
小野田に自転車を始めるきっかけを与えた重要な登場人物だが、彼はなんといっても精神(メンタル)が脆い!昔から自転車のレースに出たりしていた彼だが、ある時、御堂筋翔という同い年にして異端の自転車乗りに出会う。
彼の精神攻撃に屈し、レースに敗北してから「打倒御堂筋」を近い、コツコツと自分を鍛え上げた彼だったが、インターハイにて彼に再開。鍛え上げた自転車技術を武器に戦うが、結局度重なる精神攻撃によりまたしても心を折られてしまう。
インターハイ二日目では、彼に眼中に無いというような態度を取られ、レース中にもかかわらず、涙を流しヘルメットを地面に叩きつけリタイアしようとする。その後は仲間に支えられ精神的に少しは強くなったようだが……
御堂筋からは侮蔑の意味を込めて「弱泉くん」と呼ばれている。
- 作者: 渡辺航
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総北のライバルであり、インターハイの王者、箱根学園。
その主将にして「最強の男」福富寿一。
自転車に対してあまりにストイックな姿勢で挑む寡黙な男。自分は強者であるという絶対的な自負を持ち、他を蹴散らして自分が一番にゴールするという意思を決して崩さない。
しかし主人公たちが入部する1年前のインターハイ二日目では、総北主将金城に抜かされたためにその自負が崩され、つい先行する金城の服をつかみ落車させてしまうという大失態を犯した。(箱根学園はメンバー全員がエース級なので、福富抜きで総合優勝を取ったが、金城は総北の唯一のエースであったため成績を残せなかった。)
そのことを深く反省した彼は総北に訪れて頭を下げ、金城に「勝ちを譲れと言われれば断れない、それだけのことをした。しかし、もし、今度あの状況になったら、正々堂々と勝負してくれるか?」と自分の願いを告げる。金城もそれを快諾。
くしくも去年と同じ二日目でゴールを争うことになった福富と金城。正々堂々の末、勝利を勝ち取ったのは福富だった。
レース終了後、福富は涙を流しながら「やっと心から笑える」と金城に話す。彼のインターハイ二日目は、1年という間を開けてやっと終わったのだった。
このように、サブキャラ達はみな人間臭い魅力を持った男たちがたくさん登場するのだ。
レースをしている以上、必ず勝者と敗者が生まれる。そしてそれ以上に多くのドラマが生まれているのだ。
「弱虫ペダル」ではそれがしっかり描けていて、ホントに熱い漫画となっている。
そしてさっき名前の出てきた、御堂筋翔……
私が作品中で一番好きなキャラクターであり、濃いキャラクターたちの中でもかなり異色のキャラクターとなっている彼についても語りたいと思う。<続く>
映画「フィーストシリーズ」★感想
常連客の集ういつものBAR、そこにショットガンを持った血まみれの男が飛び込んでくる。
「すぐに怪物がここに来る。死にたくない奴は俺に従え!」
そういった男の後ろから窓をぶち破りモンスター登場、哀れヒーローは怪物の餌に……
BARの外からは怪物の息遣いが聞こえる。常連客達は互いに協力し怪物の襲撃を何とか防ごうと奔走する。
彼らは悪夢の一夜を超え、生き残ることができるのか?それとも怪物の糞となるのか?
モンスター映画の定石をことごとくぶち壊す強烈なモンスタームービー!!
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と、シリーズ一作目のあらすじはこんなところ。二作目、三作目はこの一作目を生き抜いたキャラ数人が街へ逃げるんだが、そのあとを怪物が追ってきた……という風に続いていく。
この映画の見所は映画ジャンルごとに必ず存在する定石を破壊していくという点にある。
しょっぱなでヒーロー的ポジションの男が死ぬ、みんなを乗せて逃げるため車を取りに行った女がそのまま逃げる、赤ん坊でも悲惨に死ぬ、などなど。
「ここはふつうこうなるよねー」という風に予想しながら見ていると、だいたい裏切られる。このため見ている私たちはだれずに見ることができるだ。(ただ二作目三作目になるとそれに慣れてきて展開が予測できてしまうという残念な点も……)
怪物の見た目は結構グロ怖くて及第点。それに結構強い。人間を鋭い爪や強力な腕力で次から次へと肉塊に変えていく。人間の体を腐らせる、ゲロ吐き攻撃という隠し技も持っている。
そしてこの映画において語らずにはいられないのが下品さである。
まず普通に怪物に生殖器(おちんちん)が付いている!普通のモンスター映画ではなかなかお目にかかれない、怪物ちんちんが堂々と股の間にぶら下がっているのである。実際、劇中で交尾したり、猫を犯したりするシーンがあるので必要だったとは思うが……
他にもゲロやらうんこやら……一作目はそこら辺が本格モンスター映画といいバランスをとれていたのだが、二作目からはなぜか下品なシーンのほうにより力を入れたようで画面がとても汚い。正直最低である。カップルで観ようなんて思ったらよほど特殊な性癖を持った彼女を作らなければならない。
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この映画は非常に個性あるキャラクターたちが数多く登場する。一作目から最終作まで登場するバーテンダーや、我が身かわいさにみんなを見捨てて逃げるビッチ、渋いバイカークイーン、怪物を退散させることのできる預言者、俺お気に入りの黒髪外人ガール(乳首丸出しシーンもあるよ)、そして最強の男「ジャン=クロード・セガール」……
登場するキャラの多くは様々な死に様をさらしてくれる。壮絶な死、しょぼい死、無駄死に……
モンスター映画の醍醐味の一つはキャラクターたちの死に様だと思っている自分は彼らの死に様でかなり楽しませていただいた。その点では楽しめる映画だ。
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まあ正直二作目からは中だるみして糞下品モンスターパニックになってしまったとはいえ、モンスター映画のお約束を裏切りまくるという姿勢はすごくよかったと思う。もう少し観る側の視点にもなってみればよかったのではないだろうか。
自分的に映画としてお勧めできるのは、正直一作目だけだ。
二作目、三作目を観るのはレンタルでも正直金がもったいない。結構な金を払って最後まで観ると、あんな落ちが待っているのだから……(-"-)
言い切れるのはこんな映画を作ったやつはバカだということ。
なんだかんだいいながらシリーズ全部観た私もバカだということだ。
筒井康隆「陰悩録−リビドー短編集ー」☆感想
「我が性的衝動を捧げようか 我が生涯最大の性衝動の炎を あまねくすべての人に」
筋肉少女帯 『愛のリビドー』
というわけで筒井康隆のリビドー短編集である!「リビドー」という言葉には性的衝動以外の意味もあるが、この短編集に出てくる短編は性的な話だけなので「リビドー」=性衝動ということでイカせてもらう。
筒井康隆の本で真っ先に買ったのはこれとホラー短編集だった。
まずリビドー短編集っていう響きがとても耳に心地いい。エロエロ短編集なんて副題だったらだったら正直萎えていた。(でも買っていただろう)
- 作者: 筒井康隆,角川書店装丁室鈴木久美
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2006/07/22
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まずこの本に手を出すにあたっての注意だが、この短編集に乗っているのは「エロス」と言えるようなお上品な話は一切ない。ぶっちゃけ超低俗。お下品炸裂短編集である。
中高生の男子が毎日学友と笑いながら交わすエロ話のような短編ばかりだ。だからこそ私は大好きだし、基本的に男性ならば読んで満足すること請け合いだ。
題名だけ読むと神聖なエロス話なのかと誤解させられる「弁天さま」では、むらむらした弁天様がある家族のもとを訪れ父親に「私を抱け」と言ってくる。家族の前だしと渋る父親だが、内心は弁天様に対してむらむらし始める。で結局×××××・・・
馬鹿である(失礼)。
その他にも自慰によるテレポーテーション「オナポート」だとか、「金玉」が風呂の排水溝に吸い込まれてしまったりとか……
これを読んでいる男性諸君、読みたくなってきたでしょう?女性はもうみんな帰ってしまったと思いますが。
日本男児はくだらない下ネタが大好きなはずだ!!
あなたが日本男児ならば読まない手はないはず!
筒井康隆の本がたくさんあってどれから手をつけようか迷っているという方はこれから読んでみるのをお勧めする。
ただ筒井康隆がこんなくだらない話ばっか書いていると誤解しないように……以上。
村上龍「昭和歌謡大全集」☆感想
最初に言わせてもらうと、これは昭和歌謡の大全集ではない。
若者とおばさんとの壮絶な戦争小説だ!!
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/06
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とくに理由もなく集まり、毎夜毎夜カラオケ大会や向かいのアパートのすごくスタイルのいい女のシャワーなどを眺める若者たち。
ある日彼らの一人スギオカが名も知らぬおばさんを刺し殺す。そのおばさんは名前が一緒の女たちが集まった『ミドリ会』というグループの一人だった。おばさんたちは仲間を殺されたことに激怒し、包丁を取り付けたモップを、道路で立ち小便をしていたスギオカの首に突き刺しに復讐を果たす。
そこから二つのグループの、血で血を洗う復讐という名の聖戦の幕が切って落とされた・・・
とカッコつけてあらすじを書いてみたが、どちらもホントに、どうしようもない人間たちの集まりだ。
若者たちは狂ってるし、おばさんたちはどこまで行ってもおばさんだ。
昭和の名曲をBGMに、正義は我にありと若者たちはトカレフを、おばさんたちはロケットランチャーを、憎き相手にぶっ放す。
田舎の金物店でトカレフを11万円で購入する、自衛隊員からアメリカ軍のロケットランチャーを譲り受けるなど、現実味のない出来事が多いがそれを受け入れることができればこの小説はおおいにあなたをスカッとさせてくれるだろう。オチに関してはかなり意見が分かれるところだろうが。
なんにしても全編通してエネルギーが溢れている小説だった。
自分が気に入ったのは直接戦いには参加しない、スギオカ殺害の瞬間を目撃した女子短大生だ。とにかく他の人物が彼女に対して抱く感想がひどい!!「その女子短大生の顔と声が常軌を逸していたのだが」、とか「その女子短大生がまともな口調でまともな日本語をしゃべると異様だった。わけのわからない言葉を喋ってくれるといいな」とか!正直どんな奴なんだよと吹き出してしまった。幽霊と話したりするシーンもあるし、圧倒的に異彩を放つキャラだ。直接ストーリーには絡んでこないのにこの存在感・・・自分もこんな脇役を描きたいと思った。
「よく言うだろう、人類が滅んだ後に残るのはゴキブリだって、それは違う、おばさんだ。」
−ノガミ金物店 店主
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衝動殺人から始まってしまった若者とおばさんの殺し合い・・・この戦いの果てに光は差すのか?
結末を見届けよ!(映画化もされていますがいろいろと違いがあるので注意。自分は小説のほうが好きです。)