南条範夫「駿河城御前試合」☆感想

残酷時代劇漫画「シグルイ」の原作として知ってる人が多いかと思われる本作。(自分も漫画からです。)
といっても連作短編集なのでシグルイの原作として使われた「無明逆流れ」は39ページしかなく、漫画に出てくるほどキャラの掘り下げもされていないし、なんか虎眼先生のキャラ違うし、そこには用心。

駿河城御前試合 (徳間文庫)

駿河城御前試合 (徳間文庫)

ただ「無明逆流れ」以外にも面白い戦いがあるのでぜひすべての試合を読んでほしい。
自分が一番気に入ったのは「被虐の受け太刀」。まあ無礼を承知で改題させて頂くと「ドM剣士、悩む。でも感じちゃう」といったところだろうか。
駿河大納言・徳川忠長の催した、真剣を持ってしての御前試合という血なまぐさい舞台で、さまざまな因縁を秘めた剣士たちがそれぞれの奥義を繰り出し鮮烈に散っていく。
男として、女として、剣士として……それぞれの生き様のいきつく先は!?

そして……「シグルイ」の主人公であるあの男の未来とは…

シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)

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